お葬式コラム

日本とは異なる、お墓と死生観…世界のお葬式事情(イタリア編)

風習
- 2022.09.01(木)

南ヨーロッパに位置するイタリアは、ローマ・カトリック教会のお膝元。現在でもカトリック教会が約75%を占めるといわれます。こうした背景から、古来より伝統的なカトリック教会のお葬式文化が根付いてきましたが、近年では簡素化される傾向にあるようです。

 

イタリアでは、お住まいの地域の街角に掲示板があり、お亡くなりになると案内が貼られます。近隣の方はこの掲示板で死亡を知ることができ、お悔やみの言葉「Mi dispiace molto(とても残念です)」をご遺族に伝えるそうです。

一般的にご遺体は、病院で亡くなられても一旦自宅に引き取られ、葬儀社の手で湯灌が行われます。その後2日間、自宅で通夜を行います。通夜では、参加者全員がロザリオの祈りを唱和して、故人の霊に捧げるそうです。

 

お葬式は、主に教会で行われます。参列者が揃うと神父が故人のプロフィールを読み上げ、安らかな永遠の眠りをお祈りするミサを行います。

参列者の服装は、暗い色目の服をまとうのがマナーと言われていますが、有名な方のお葬式や、南イタリアの一部の地域では、男女ともに黒い服を着るようです。伴侶が亡くなると1年間喪に服す意味を込め、全身真っ黒な服を着て過ごす女性もいらっしゃいます。

なお、無宗教の方が亡くなった場合は、市役所や役場でお葬式が行われ、カトリック墓地に埋葬されるようです。

 

埋葬方法について、イタリアでは現在も土葬が多くスペースを有するため、都心部の墓地の大半は「賃貸方式」で運営されています。

ご遺体を墓地に埋葬後、10〜30年程度の契約が過ぎると、主に葬儀社が土の中から遺骨を拾い上げ、納骨堂に写します。

以後30年間は、納骨堂で遺骨を管理するという仕組みが通例のようです。

 

また、日本では結婚すると苗字が代わり、亡くなると嫁いだ先のお墓に入るのが一般的ですが、イタリアでは結婚しても女性は苗字を変えないことが多く、亡くなったら旦那様の家族のお墓に入るか自分の生まれた家族のお墓に入るかを選ぶことができます。こうしたことから、夫婦で全く別のお墓に入ることに違和感はないそうです。

 

多くのイタリア人は、物事を事前に計画・決定するよりも、その時々に合わせて決断するという考えを持っていますが、ことお墓については事前にどこに入るのかを決めておくという、独自の死生観を持っているそうです。

 

いつか必ず来る「死」にむけて、ご遺族のためにも事前に自分らしいお墓の選択をする。こうした考えが、後世にも永く受け継がれることが望まれます。