お葬式コラム

熱気あふれるお祭りのようなお葬式…世界のお葬式事情(バリ島編)

風習
- 2022.02.01(火)

東南アジアの国インドネシアでは、約70%の人がイスラム教を信仰しているようですが、バリ島では約80%の人が独自の「バリヒンドゥー教」を信仰していると言われます。

バリヒンドゥー教の埋葬は、日本と同じ火葬が一般的で、埋葬は海に流すことが多いそうですが、お葬式は独自のしきたりがあるようです。

 

バリ島には、「ガベン」と呼ばれるお葬式のセレモニーがあり、故人の親族や町内の男性陣が主役となり、悲しみというよりは「熱気あふれるお祭り」のような雰囲気になるそうです。

 

「バデ」と呼ばれる華やかな塔と棺を、何本もの竹で組み合わせた土台の上にのせ、それをたくさんの男たちで担ぎ上げ、町内を練り歩きます。また、「プヌランガン」と呼ばれる、縁起が良いとされる馬や牛をモチーフにした模型のようなものも担ぎ、故人の親族(主に孫)がその上にのり、こちらも男性たちに担がれながら町内を練り歩きます。

日本の神輿に見た目が似ているようです。

 

ひとしきり町内を回った後は、広い空き地へと運び、そこで棺や塔や牛など、遺体と共に全てを燃やします。

バリ島では、身体は神様からの借り物。亡くなっても魂はあの世で生まれ変わり、何度でもこの世に蘇ると信じられています。

 

こうした輪廻転成の考え方だからなのか、お葬式は明るいムードがあり、参列者のみなさんも明るく笑顔で送り出している印象があるそうです。

ただ、このような大きなお葬式ができる人はお金持ちが多く、一般の人は数名合同でお葬式が執り行われるケースも珍しくないそうです。

バリ島の人たちにとって、お葬式のセレモニーは、「人生最後の盛大なお祭り」と考えられているのかもしれません。