お葬式コラム

お墓がないお葬式…世界のお葬式事情(ブータン王国編)

風習
- 2024.01.29(月)

ブータン王国、通称ブータンは、北は中国、東西南はインドと国境を接する南アジアの立憲君主制国家です。

民族はチベット系が8割、ネパール系が2割といわれます。

 

チベット仏教は、輪廻転生の教えで、生も死もその一部、49日で生まれ変わるという考えからお墓はないそうです。こうしたことから、人口のほとんどがチベット仏教であるブータンでは、お墓がないお葬式が一般的です。

 

各地の場所や宗派により異なりますが、ブータンではお葬式を命日に、4日後、7日後、14日後、21日後、49日後に法要を行います。

お葬式当日から21日までは僧侶を自宅に招くことが多く、それ以降は主に寺院で法要を行います。

自宅には15〜20人の僧侶が訪れ、10時間以上に及ぶ読経が行われます。

お葬式では、親族や縁のある人たちが参列者に対して小額のお金を渡すのが一般的で、公徳を積む1つとされています。

 

また、お葬式の際に麦の粉とお茶、バターと塩をまぜた「ス」と呼ばれる食べ物を会場の入り口付近で燃やすという独自のしきたりがあります。悪霊や悪いものが入ってこないようにずっと燃やし続け、このスのまわりに時々水をまくことで場を清めるそうです。

 

ブータンでは、ご遺体は主に火葬し遺灰を川に流します。

お墓を作る習慣はありませんが、14日後の法要に見晴らしの良い場所や丘、縁のあった場所にマニダルと呼ばれる大きな長い白旗をたてるそうです。

 

日本とは異なる独自のしきたりを持つブータンのお葬式。

ご家族はもちろん、親族や職場の人たちもお葬式をとても大事にしているそうで、とても感慨深いものですね。