お葬式コラム

棺を閉じた葬式…世界のお葬式事情(アイスランド編)

風習
- 2024.01.04(木)

アイスランドは、北ヨーロッパの北大西洋上に位置する島国で、総人口は約35万5,000人。日本の北海道と四国を合わせた位の面積といわれます。

民族はアイスランド人が主体で、宗教はアイスランド国教会(ルター派)のキリスト教が全体の74%を占めているそうです。

アイスランドでは、お葬式は死後1週間以上空いてから行われるのが一般的です。お葬式の前に家族や親族が集まってお別れ会を行い、その後、棺を閉めてお葬式をするそうです。使われる棺は開閉できないため、お別れ会までは故人を見ることができますが、お葬式中およびその後、故人を見ることは出来ないといわれます。

 

また、日本のお葬式では故人の写真を飾りますが、アイスランドでは写真を飾ることはなく、参列者にお葬式の故人の写真や名前、お葬式の式次第が書かれたパンフレットを配ることが多いそうです。

 

お葬式は主に教会で行われ、牧師さんが故人の生い立ちや人柄について語ります。生前には関わりがない故人について話すことも珍しくないようで、お葬式の前にご遺族と牧師さんが打ち合わせをしてエピソードを決めるそうで、そのお話の多くは心温まる、クスッと笑みがこぼれるような内容だそうです。

 

香典の習慣はなく、お花を送ることが一般的です。

 

お葬式が終わると、家族や親族は棺を霊柩車にのせて火葬場または墓地へ向かい、参列者は教会に併設されている会場またはレストランに集まり、軽食を食べて故人を偲ぶと共に交流を深めます。

 

アイスランドでは、以前はほとんどが土葬でしたが、現在では土葬か火葬かを選ぶことが可能で、約41%が火葬と言われています。

日本とは異なる独自のしきたりを持つアイスランドのお葬式。

とはいえ、大切な人をみんなで心を込めて送ることに変わりはなく、これからも末永く独自のしきたりが続くことを願います。