お葬式コラム

和洋折衷のお葬式…世界のお葬式事情(ペルー編)

風習
- 2023.09.26(火)

ペルー共和国、通称ペルーは、南アメリカ西部に位置する共和制国家。紀元前から多くの古代文明が栄えており、16世紀まではインカ帝国の中心地でしたが、その後スペインに征服され植民地時代だったこともあります。

宗教は、人口の約8割がローマ・カトリックだといわれます。

ペルーは、南米で組織的な日本人移住を最初に受け入れた国で、現在も約10万人の移住者・日系人が暮らしています。今回は、日系人のお葬式のしきたり、風習を中心にご紹介します。

 

ペルーの日系社会のお葬式では、お亡くなりになると親族や友人、近隣の住人が集まり日本でいうお通夜を行います。顔が見える棺に入った故人とのお別れを夜通し行い、お食事を振る舞ってから教会へみんなで棺を担いでいきます。ベースはカトリック式ですが、線香や戒名があり、おまんじゅうが添えられるなど、和洋折衷なスタイルだといわれます。

また、線香たての横には香典を入れる箱が置いてあり、お葬式に行く際は香典を用意することが多いそうです。

 

お葬式は教会で1時間ほどミサが行われ、その後皆でお墓へ向かい、神父様の言葉、ご遺族のご挨拶の後、その場で土葬されます。現在も伝染病による死者を除いては土葬が一般的だといわれています。

 

また、日系人以外のお葬式でよく見かける光景として、儀式の待ち時間に皆でインカコーラのまわし飲みをすることがあります。まわし飲みは誕生日やお葬式などで行われる習慣で、インカコーラとはコーラよりも少し甘い、炭酸を弱めた黄色の炭酸飲料です。

 

他にもお葬式の後、霊柩車を先頭に楽団が音楽を奏でて町中を歩き墓地に向かうなど、部族により異なるしきたりがあるようです。

 

日系人が多いペルーで、伝統的な日本のお葬式のしきたりの一部が行われているのはとても感慨深く、これからも和洋折衷のしきたりが長く続くことが望まれます。