お葬式コラム

故人を偲ぶ メモリアルなしきたり…世界のお葬式事情(オランダ編)

風習
- 2022.11.01(火)

西ヨーロッパに位置するオランダでは、キリスト教徒が約35%、無宗教の方が約54%と言われています。

こうした背景から、伝統的なカトリック教会のお葬式とは異なる独自のしきたり、風習があるようです。

 

オランダでは、ご家族が他界すると、5日〜1週間後にお葬式をするのが通例です。

昨今ではお葬式を家族のみで終わらせるご家庭も多いですが、

なかには新聞に葬儀の案内を掲載して参列者を募ることもあるようです。

お葬式までの間、ご遺体は遺族や故人の家に安置されます。

オランダでは2階で亡くなったとき以外、ご遺体を階上に運んではいけないというルールがあるため、

リビングで安置することもあるそうです。

 

お葬式は、無宗教の方も多いことから、教会だけでなく葬儀会館やご自宅で、

神父を呼ばず行う形式も増えてきているようです。

 

遺族がスピーチを行い、みんなで棺を囲んで故人を偲びます。

30分ほどで終了するケースも少なくありません。

また、遺族が故人を偲ぶムービーを作り会場で流すなど、アットホームな演出をすることも多いそうです。

 

オランダのお葬式の独特な風習として、故人のメモリアルカードを

参列者に配るというものがあります。

カードには、故人の写真と、どんな人物だったのかなどが掲載されています。

参列者はカードを見ながら故人を偲びます。日本では結婚式でこうしたカードを

よく見かけるのですがお葬式で配布することはないので、不思議な感じがするものです。

 

またオランダでは現在、火葬が主流となっています。ただ、日本のようにお葬式の後、

火葬場に同行するのではなく、お葬式で最後の別れをして約1ヶ月後に火葬された遺灰を

受け取りに行くというのが一般的です。

 

故人を偲ぶ気持ちを大切に、各ご家庭で工夫を凝らすオランダのお葬式。

これからも末永く受け継がれることが望まれます。