お葬式コラム

葬儀法に基づいたお葬式…世界のお葬式事情(チェコ編)

風習
- 2024.03.01(金)

チェコ共和国は、中央ヨーロッパに位置する国で人口は約1,055万人、面積は日本の約5分の1といわれます。公用語はチェコ語で通貨はチェコ・コルナです。

人口の6割が無宗教者で、3割がキリスト教といわれています。

 

チェコには葬儀法があり、この法律に基づいて葬儀社がお葬式に関するあらゆる段取りをサポートするようです。

葬儀社はお葬式にかかわる業務サービスについて、項目ごとに費用を示したガイドリストを用意していて、遺族は予算に応じて必要項目を選びます。

日本の葬儀社でもお葬式のプランやオプションが用意されていますが、チェコの葬儀社ではより細かく、死者の衣装、納棺、花、葬儀などの項目ごとに費用を表示したガイドリストがあるようです。

 

お葬式の多くは、各地にある葬儀社の葬儀ホール、墓地あるいは火葬場にある付属礼拝堂などで行われます。

伝統的なお葬式では牧師が司式を行いますが、牧師を呼んでのお葬式は約30%にとどまっているようです。

また、葬儀の費用は一般的に、1ヶ月の平均賃金(日本円で約6万円)くらいといわれています。

 

チェコでは1919年より火葬が認められています。

カトリック教会が火葬を認めたのは1960年代の初めといわれており、チェコではそれよりずいぶん前から火葬がはじまっていました。

こうした背景には、無宗教者が多いことがあります。

現在のチェコの火葬率は約70%。欧米各地と同様、年々増えており80%台になるのも時間の問題だといわれています。

 

なお、チェコでは埋葬地を家族が自己所有することはなく、葬儀法に基づき霊園管理者からリースされるそうです。遺族は墓石のみを所有します。

故人の遺族が亡くなったときにリースされている墓地に納骨はできますが、家族墓地として霊園管理者と新たにリース条件を取り決めるしくみとなっているようです。

 

日本とはさまざまな面で異なる、チェコのお葬式。

とはいえ、心を込めて大切な人を送り出すことには変わりなく、独自の風習・しきたりがこれからも長く続くことが望まれます。