お葬式コラム

9日間続くお葬式…世界のお葬式事情(パラグアイ編)

風習
- 2023.11.01(水)

パラグアイ共和国は、南アメリカ中央南部に位置する、ブラジル、ボリビア、アルゼンチンに囲まれている内陸国です。農牧畜産業が主で、特に大豆の生産量が世界的に多いことで知られます。

 

公用語はスペイン語、グアラニー語で、人口のほぼ9割がローマ・カトリックといわれます。パラグアイはラテンアメリカの中でも大変信心深い国として知られており、なかでもローマカトリック教徒は、古くからカトリックの慣習を熱心に学び、伝道しているそうです。

パラグアイでは、亡くなった当日にお通夜にあたるお別れ会が行われます。

お別れ会では、時間に関係なく多くの人が訪れ、亡骸に最後の挨拶をします。

そして亡くなってから24時間後に教会でミサを行い、お墓に移動して土葬します。埋葬方法は土葬が一般的です。

 

パラグアイのお葬式で特徴的なのは、埋葬をした後、9日間に渡り自宅で「レソ」と呼ばれる、ミサのような儀式を行うことです。

毎日同じ時間に行われ、レソの後にはジュースや焼き菓子、パウンドケーキ、飴などが配られます。

そして最終日のレソが行われる日のお昼もまた、みんなに食事が振る舞われます。地域にもよりますが、主な参列者は町の人々で、お肉料理を100食以上振る舞うこともあるため、非常に手間とお金がかかるそうです。

お葬式は費用がかかるから、お金を貯めてからでないとできないというご家庭もあるようです。

 

親戚や知人、町の人が多く集まり、9日間レソを続けるパラグアイのお葬式。

ご遺族は大変だと思いますが、みんなで故人を心を込めて送る独自のしきたりとして、長く続いていくことを願います。