世界各国のお葬式にまつわるしきたり、風習をご紹介するコラム。
今回はアイルランドのお葬式についてご紹介します。
北西ヨーロッパに位置する北大西洋のアイルランド島の大部分を
領土とする共和制国家、アイルランド。
人口は約459万人、面積は日本の約5分の1と言われます。
首都はダブリン、公用語はアイルランド語・英語で、通貨はユーロ。
宗教は人口の約86%がローマ・カトリック教で、
その他アイルランド国教会、メソジスト、イスラム教と続きます。
アイルランド セントパトリック大聖堂
ダブリンにある最も有名な大聖堂です。
アイルランドでは、亡くなられた翌日から3日間に渡りお葬式をすると言われます。
亡くなられた翌日に、自宅でウェイクまたはリムーバルと呼ばれる「通夜」が、
次の日に自宅で家族や身内を中心とした小規模な告別式が行われます。
その後棺を教会に運び、翌日に教会で一般の参列者を含んだお葬式が行われます。
このお葬式は一般的に多くの人が参列するそうで、300人程度が普通の規模、
教会の中に人が入りきらず、参列者が屋外で行列をなしている光景もよく見られるようです。
服装は基本的に黒い服で、肌の露出のない控えめな
スタイルなら喪服でないことも多いそうです。
お香典はなく、カードや花を送ることもありますが、
最近では寄付をお願いするケースが増えていると言われます。
お葬式は、神父によって進行され、身内の方がスピーチを行い、
参列者がご遺族の方に順に抱擁します。
アイルランド セントパトリック大聖堂
大聖堂内部
そしてお葬式が終わると、墓地や火葬場に運ばれ、故人が望む方法により埋葬が行われます。
その後、集まった人々はパブやレストランに移動し、会食をしながら故人の思い出話を語り合います。
若くしてなくなった方のお葬式は重い雰囲気になるのは当然ですが、
お年寄りのお葬式は比較的、和気あいあいとした雰囲気だそうです。
アイルランド グラスネヴィン墓地
小さなお葬式が増えつつある日本とは異なり、
多くの人が参列するのが一般的と言われるアイルランドのお葬式。
これからも末永く続くことを心から願います。