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「突然の訃報で、何を着て行けばいいか分からない」
「黒い服なら何でもいいの?」
そんな不安を感じた経験はありませんか?
葬儀は「故人を悼む心」を表す場です。
服装のマナーを正しく知っておくことは、相手への敬意を示すことでもあります。
この記事では、男女別・世代別にわかりやすく「正しい喪服マナー」を解説します。
これを読めば、突然の葬儀にも落ち着いて対応できるようになります。
1. 葬儀の服装マナーの基本
葬儀での服装は、「喪に服す」ことを表すもの。
主に以下の3種類に分けられます。
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種類 |
呼び方 |
着用する人・場面 |
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正喪服 |
最も格式が高い |
喪主・遺族が着用 |
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準喪服 |
一般的な参列者向け |
通夜・葬儀・告別式 |
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略喪服 |
弔問・法要・急な通夜など |
急な知らせや平服指定時 |
一般の参列者は準喪服を着るのが基本です。
黒を基調に、光沢や装飾を避けた控えめな服装を心がけましょう。
2. 【女性】葬儀の服装マナー
■ 喪服の基本スタイル
女性の喪服は「黒無地のワンピース」または「アンサンブル」が一般的です。
スカート丈は膝が隠れる程度、露出を控えたデザインを選びましょう。
OKな服装例:
- 黒のワンピースやジャケット(光沢なし)
- 黒のストッキング
- 黒のパンプス(3〜5cmのヒール)
NG例:
- ノースリーブ・ミニスカート
- 光沢のある素材やレース
- オープントゥの靴・ピンヒール
■ アクセサリー・髪型・バッグ
- アクセサリー: 基本は黒またはパール1連ネックレス。ゴールド・ダイヤ・大ぶりアクセは避ける。
- バッグ: 黒の布製またはマットな革。金具やブランドロゴが目立つものはNG。
- 髪型: 派手なまとめ髪は避け、黒いゴムやピンでシンプルに。
■ メイク・香水
- メイク: 薄め・ナチュラルを意識。赤系リップやチークは控えめに。
- 香水: つけないのが基本。柔軟剤や整髪料の香りも強すぎないよう注意。
3. 【男性】葬儀の服装マナー
■ スーツ・シャツ・ネクタイ
男性の基本は「黒の無地スーツ+白シャツ+黒ネクタイ」です。
派手さを避け、全体を落ち着いた印象にまとめます。
OKな服装例:
- 黒無地スーツ(光沢なし)
- 白無地シャツ(ボタンダウン不可)
- 黒無地ネクタイ(結び目はプレーンノット)
- 黒の靴下・黒の革靴(プレーントゥ)
NG例:
- ストライプや光沢のあるスーツ
- カフス・派手なネクタイピン
- スエード・ローファーなどのカジュアル靴
■ 時計・アクセサリー
- 時計は地味なデザインなら可。金属光沢の強いものは避ける。
- 結婚指輪以外のアクセサリーは外しておくのが望ましい。
4. 【子ども】の服装マナー
子どもは喪服がなければ、**「地味な服装」**で問題ありません。
男の子: 黒・紺・グレーのズボンに白シャツ。
女の子: 黒・紺・グレーのワンピースまたはスカート。
靴や靴下も黒・白・紺など控えめな色を選びましょう。
キャラクター柄や派手な髪飾りは避けるのがマナーです。
5. 【高齢者】の服装マナー
60〜70代の方は、体への負担を考え、無理のない喪服選びがポイント。
- ワンピース型や前開きの喪服なら着脱が楽。
- パンツスーツ型でもOK(女性の場合)。
- 足腰が悪い場合は、低ヒールや歩きやすい黒靴を。
長年使用した喪服が色あせている場合は、**黒の深さ(濃さ)**に注意。
「黒が薄い=礼を欠く」と受け取られる場合もあるため、買い替えも検討しましょう。
6. 【通夜と告別式】で服装を変えるべき?
実は、通夜と告別式では服装マナーにわずかな違いがあります。
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シーン |
推奨服装 |
理由 |
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通夜 |
略喪服または準喪服 |
「急な訃報に駆けつけた」という意味 |
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告別式 |
準喪服(正喪服に近い) |
故人を正式に送る場 |
※喪主・遺族は正喪服が基本です。
参列者の場合、両日とも同じ準喪服で問題ありません。
7. 【季節別】喪服マナーのポイント
■ 夏(6〜9月)
- 通気性のよい素材(サマーウール・ポリエステルなど)
- 袖丈は半袖より七分袖や長袖が無難
- ストッキングは黒で統一(素足はマナー違反)
■ 冬(12〜2月)
- コートやマフラーは黒・濃紺など地味な色
- 式場ではコートを脱ぐ
- 防寒用インナーは外に響かないように注意
8. 【よくある質問】葬儀の服装Q&A
Q1. 黒いスーツでも光沢があれば大丈夫?
→ NGです。喪服の黒は「光を吸うマットな黒」。光沢は祝い事の印象になります。
Q2. 黒いワンピースでもOK?
→ 無地で露出が少なければOK。ただしデザインが華美だと略喪服扱いになります。
Q3. 平服でお越しくださいと案内があった場合は?
→ 「黒・紺・グレー系の地味な服装」が基本。喪服を着ても問題ありません。
9. 【まとめ】敬意を伝えるためにできること
葬儀の場で大切なのは、**「相手への思いやり」**です。
服装はその思いを形に表すひとつの方法。
- 目立たず、控えめに
- 清潔感を大切に
- 故人と遺族への敬意を忘れずに
これらを意識すれば、どんな場でも恥ずかしくない振る舞いができます。
最後にもう一度ポイントを整理します。
✔ 男女とも「黒無地・光沢なし」が基本
✔ アクセサリー・髪型・靴も控えめに
✔ 季節や年代に合わせて無理のない服装を選ぶ
突然の葬儀にも落ち着いて対応できるよう、
1着の「正しい喪服」を用意しておくと安心です。



