お葬式コラム

葬儀の服装マナー|男女・世代別の正しい喪服

マナー
- 2025.10.20(月)

「突然の訃報で、何を着て行けばいいか分からない」
「黒い服なら何でもいいの?」
そんな不安を感じた経験はありませんか?

葬儀は「故人を悼む心」を表す場です。
服装のマナーを正しく知っておくことは、相手への敬意を示すことでもあります。

この記事では、男女別・世代別にわかりやすく「正しい喪服マナー」を解説します。
これを読めば、突然の葬儀にも落ち着いて対応できるようになります。

1. 葬儀の服装マナーの基本

葬儀での服装は、「喪に服す」ことを表すもの。
主に以下の3種類に分けられます。

種類

呼び方

着用する人・場面

正喪服

最も格式が高い

喪主・遺族が着用

準喪服

一般的な参列者向け

通夜・葬儀・告別式

略喪服

弔問・法要・急な通夜など

急な知らせや平服指定時

一般の参列者は準喪服を着るのが基本です。
黒を基調に、光沢や装飾を避けた控えめな服装を心がけましょう。

2. 【女性】葬儀の服装マナー

■ 喪服の基本スタイル

女性の喪服は「黒無地のワンピース」または「アンサンブル」が一般的です。
スカート丈は膝が隠れる程度、露出を控えたデザインを選びましょう。

OKな服装例:

  • 黒のワンピースやジャケット(光沢なし)

  • 黒のストッキング

  • 黒のパンプス(3〜5cmのヒール)

NG例:

  • ノースリーブ・ミニスカート

  • 光沢のある素材やレース

  • オープントゥの靴・ピンヒール

■ アクセサリー・髪型・バッグ

  • アクセサリー: 基本は黒またはパール1連ネックレス。ゴールド・ダイヤ・大ぶりアクセは避ける。

  • バッグ: 黒の布製またはマットな革。金具やブランドロゴが目立つものはNG。

  • 髪型: 派手なまとめ髪は避け、黒いゴムやピンでシンプルに。

■ メイク・香水

  • メイク: 薄め・ナチュラルを意識。赤系リップやチークは控えめに。

  • 香水: つけないのが基本。柔軟剤や整髪料の香りも強すぎないよう注意。

3. 【男性】葬儀の服装マナー

■ スーツ・シャツ・ネクタイ

男性の基本は「黒の無地スーツ+白シャツ+黒ネクタイ」です。
派手さを避け、全体を落ち着いた印象にまとめます。

OKな服装例:

  • 黒無地スーツ(光沢なし)

  • 白無地シャツ(ボタンダウン不可)

  • 黒無地ネクタイ(結び目はプレーンノット)

  • 黒の靴下・黒の革靴(プレーントゥ)

NG例:

  • ストライプや光沢のあるスーツ

  • カフス・派手なネクタイピン

  • スエード・ローファーなどのカジュアル靴

■ 時計・アクセサリー

  • 時計は地味なデザインなら可。金属光沢の強いものは避ける。

  • 結婚指輪以外のアクセサリーは外しておくのが望ましい。

4. 【子ども】の服装マナー

子どもは喪服がなければ、**「地味な服装」**で問題ありません。

男の子: 黒・紺・グレーのズボンに白シャツ。
女の子: 黒・紺・グレーのワンピースまたはスカート。

靴や靴下も黒・白・紺など控えめな色を選びましょう。
キャラクター柄や派手な髪飾りは避けるのがマナーです。

5. 【高齢者】の服装マナー

60〜70代の方は、体への負担を考え、無理のない喪服選びがポイント。

  • ワンピース型や前開きの喪服なら着脱が楽。

  • パンツスーツ型でもOK(女性の場合)。

  • 足腰が悪い場合は、低ヒールや歩きやすい黒靴を。

長年使用した喪服が色あせている場合は、**黒の深さ(濃さ)**に注意。
「黒が薄い=礼を欠く」と受け取られる場合もあるため、買い替えも検討しましょう。

6. 【通夜と告別式】で服装を変えるべき?

実は、通夜と告別式では服装マナーにわずかな違いがあります。

シーン

推奨服装

理由

通夜

略喪服または準喪服

「急な訃報に駆けつけた」という意味

告別式

準喪服(正喪服に近い)

故人を正式に送る場

※喪主・遺族は正喪服が基本です。
参列者の場合、両日とも同じ準喪服で問題ありません。

7. 【季節別】喪服マナーのポイント

■ 夏(6〜9月)

  • 通気性のよい素材(サマーウール・ポリエステルなど)

  • 袖丈は半袖より七分袖や長袖が無難

  • ストッキングは黒で統一(素足はマナー違反)

■ 冬(12〜2月)

  • コートやマフラーは黒・濃紺など地味な色

  • 式場ではコートを脱ぐ

  • 防寒用インナーは外に響かないように注意

8. 【よくある質問】葬儀の服装Q&A

Q1. 黒いスーツでも光沢があれば大丈夫?

→ NGです。喪服の黒は「光を吸うマットな黒」。光沢は祝い事の印象になります。

Q2. 黒いワンピースでもOK?

→ 無地で露出が少なければOK。ただしデザインが華美だと略喪服扱いになります。

Q3. 平服でお越しくださいと案内があった場合は?

→ 「黒・紺・グレー系の地味な服装」が基本。喪服を着ても問題ありません。

9. 【まとめ】敬意を伝えるためにできること

葬儀の場で大切なのは、**「相手への思いやり」**です。
服装はその思いを形に表すひとつの方法。

  • 目立たず、控えめに

  • 清潔感を大切に

  • 故人と遺族への敬意を忘れずに

これらを意識すれば、どんな場でも恥ずかしくない振る舞いができます。

最後にもう一度ポイントを整理します。

✔ 男女とも「黒無地・光沢なし」が基本
✔ アクセサリー・髪型・靴も控えめに
✔ 季節や年代に合わせて無理のない服装を選ぶ

突然の葬儀にも落ち着いて対応できるよう、
1着の「正しい喪服」を用意しておくと安心です。