お葬式コラム

お通夜にご参列するときのマナー「お通夜の流れや服装について」

マナー
- 2024.03.30(土)

お通夜は、お葬式の前夜にご家族様や近親者様が、故人様のご遺体を見守り、冥福を祈りながら別れを惜しむ儀式です。

もともと通夜は故人様の枕元で、親しい人々が故人様のご遺徳を偲び、思い出を語りながら、夜を通して線香のお守りをしていました。

しかし最近では、通夜に一般の方が来られる傾向にあり、お通夜の時間を設け、式次第に準じ通夜法要が営まれるようになってきました。

お通夜の流れ

一般的なお通夜の流れとして、お通夜の開始時間は18時から19時頃に始まることが多くなっております。

宗旨宗派、地域によっても異なりますが、宗教者様の読経中に喪主様から順にご焼香していただきます。

読経が終わると宗教者様から法話がある場合があります。

ご遺族様への挨拶のマナー、定型文

ご遺族様へのご挨拶、お悔やみの言葉は、ご遺族に対して思いやりをもってかける言葉です。

「このたびはご愁傷さまでございます」「お悔やみ申しあげます」などのような言葉が代表的です。

「愁」は物悲しさを意味し、「傷」は強い悲しみを意味します。

お悔やみは故人の死を悼む気持ちをこめながら、短めに伝えるようにします。

故人様と親交が深かった場合は、いろいろとご遺族様に伝えたくなるかもしれませんが、負担を増やさぬよう配慮しましょう。

また、死因や故人の年齢によってお悔やみの言葉をかえることもありますが、こちらから死因を尋ねるのは控えましょう。

お通夜の挨拶

お通夜の挨拶は、時間をあらためて設けるのではなく通夜法要後、故人様を偲びお話される中で感謝の意をお伝えします。

一方近年通夜だけにご参列される方も多くなっていることから、お通夜の時間に挨拶の時間を設けることも増えております。

お通夜の挨拶では生前のお礼、「通夜ぶるまい」へのご案内、葬儀・告別式の日程などを簡潔にお伝えします。

通夜ぶるまいとは

「通夜ぶるまい」とはご弔問に対してのお礼とお清め・故人様への供養の意味を込めて、精進料理や日本酒などでおもてなしを行う風習です。

「通夜ぶるまい」は地域により異なりますが、飲食などはご遺族、ご親族様が中心となる所が多くなっております。

その他ご弔問された方々には礼状やお持ち帰りの粗供養品を用意して済ませることも多いようです。

お通夜にご参列される際の服装

急なお通夜にご参列する場合、男性、女性ともに喪服ではなく地味な平服で問題ありません。

会社の制服や通勤着でご参列して問題ありませんが、気になる場合はスーツを着用します。

男性の服装について

男性の場合は濃紺やダークグレイなど地味な色のスーツに、ネクタイも地味な色のものを選びます。

注意点(避けたほうが良いもの)

  • 靴は黒の紐革靴が基本で、目立つ金具がついたものは避ける。
  • 殺生を連想させる毛皮のコートは避ける。
  • 結婚指輪や腕時計以外のアクセサリーは避ける。(腕時計は派手でないものを選びます。)
  • 喪章は一般会葬者はつけない。(喪章は喪に服しているという意味で親族がつけます。)

女性の服装について

女性の場合は、黒・紺・グレーのワンピースやスーツを着用します。しかし、最近は一般参列者であってもお通夜からブラックスーツ・ブラックフォーマルなどの略礼服で参列される方が多くなっています。

注意点(避けたほうが良いもの)

  • メイクやマニキュアは派手にせず自然な程度にする。
  • アクセサリーは結婚指輪以外は身につけない。
  • パールのネックレスをつける場合は、一連のものを身につける。(二連のものは重なる事を嫌う弔事では厳禁。)
  • 靴はエナメル素材やサンダル、ミュールは避ける。
  • 夏でも露出の多い服装は避ける。
  • 殺生を連想させる毛皮のコートやバッグは避ける。

お通夜にご参列される際の持ち物

代表的な持ち物として以下のものが挙げられます。

袱紗(ふくさ)

袱紗とは、贈り物の金品を包んだり覆うことに使用する儀礼用絹布をいいます。
元々は貴重品などをいれていた箱の上にかけられていた風呂敷が、
贈答品を運ぶ際に日焼け防止として使用されたのが始まりと言われています。
葬儀においては香典袋を包むのに使用されます。

香典(こうでん)

香典袋の表書きは、宗教によって異なります。
仏式は「御香典」「御香料」
神式は「御神前」「御玉串料」「御榊料」
キリスト教式は「御花料」「御ミサ料(カトリック)」です。
わからない場合は、「御霊前」と記載します。

近年では、家族葬増加に伴い、香典を辞退される喪家様が増えてきております。
香典を辞退されている場合は、ご準備しても受け取って頂けない場合が多いですが、
お気持ちを示したい場合などは、必ずお持ちし、ご遺族様に直接お渡ししてみてください。

数珠(じゅず)

数珠は多くの小さな珠(たま)に糸を通し輪状にした仏具です。
仏教のお経、念仏を唱える際に使用する珠という意味で念珠と呼ばれることもあります。
珠の数は煩悩を表す数の108個が基本と言われています。
実際は持ちやすいように半分の54個、4で割った27個などの様々な種類があります。

ハンカチ

ハンカチはお葬式において、故人様をしのんで涙を拭ったり、手を拭いたりする際に使うものです。
普段ハンカチを持ち歩かない方は、ハンカチをお葬式に持っていくのを忘れてしまいがちなので特に気を付けるようにしましょう。

喪服と同様に、お葬式で持ち歩くハンカチに関しても押さえるべきマナーがあります。
基本的なお葬式のマナーとして、ハンカチの色は黒色または白色であれば問題はありません。
白いハンカチが主流とされていた時期もありましたが、喪服の色に合わせて黒色のハンカチも許容されるようになりました。
特に女性の場合であれば、座った時にハンカチを膝に乗せることもあるので、
黒色のハンカチの方が喪服の色と同化して目立たないかもしれません。
現在は、昔ほどマナーも厳しくないので、派手なものでなければ許容される風潮にあります。

家族葬のお通夜について

家族葬の場合にお通夜はするのか?といったご質問をお聞きすることがあります。

結論としては「お通夜をします。」

お通夜は、もともとご家族様やご友人様など故人様と親しい人が集まり、故人様と最期の夜を過ごす儀式となります。

従って、家族葬であろうと、一般葬であろうとお通夜をすることには変わりはありません。

お通夜をしないことはあるの?

近年では、儀式の簡略化により家族葬は様々な形に変化してきております。

お通夜・通夜式を行わず、葬儀・告別式・火葬を1日で行う家族葬を「一日葬」と呼ばれます。

一日葬を行う場合には、儀式を執り行う宗教者様に必ず確認しましょう。

お通夜・お葬式は宗教儀式なので、本来は通夜をしないということはありません。

その辺りを宗教者様にもご理解いただいて進めることが重要だと思います。

 

お葬式マナー動画解説「お葬式参列時の服装」

八光殿チャンネルでは、より詳しくわかるよう動画を配信しております。

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ぜひ、ご覧ください。

また、お通夜の流れでご不明な点やご質問がありましたら八光殿までご相談ください。