目次
- デジタル遺品とは?
- 代表的なデジタル遺品の例
- デジタル遺品を放置すると起きる3つのトラブル
- ① アカウント停止・解約ができない
- ② 大切な写真・思い出が失われる
- ③ 個人情報・資産の流出
- 終活で整理しておくべき「デジタル遺品」5つのジャンル
- ① スマホ・パソコンのロック解除情報
- ② SNS・メールアカウント情報
- ③ 金融・決済・サブスク関連
- ④ クラウド・写真・データ保管先
- ⑤ デジタル資産(仮想通貨・電子マネーなど)
- デジタル遺品の整理方法ステップ
- ステップ① 持っている機器とサービスを洗い出す
- ステップ② パスワードを整理する
- ステップ③ 不要なアカウントを削除
- ステップ④ 家族に伝える
- ステップ⑤ 年に1回見直す
- デジタル遺品の管理に役立つツール・サービス
- ① 紙の「デジタル資産ノート」
- ② パスワード管理アプリ
- ③ クラウド型終活サービス
- 家族に優しいデジタル遺品の残し方
- デジタルも、思いやりの終活を
終活というと、通帳や不動産、形あるものを整理するイメージが強いですよね。
しかし、近年急速に重要性が増しているのが——**「デジタル遺品」**です。
スマホ、パソコン、SNS、ネット銀行、サブスク契約…。
これらはすべて、持ち主が亡くなったあとに家族が手続きや確認に困りやすい遺産です。
この記事では、葬儀会社の視点から
「終活で整理しておくべきデジタル遺品」と「具体的な整理方法」をわかりやすく解説します。
40代〜70代の方でもすぐ始められる実践的な内容です。
デジタル遺品とは?
「デジタル遺品」とは、亡くなった後にデジタル機器やネット上に残るデータやアカウントのことです。
スマホ・PC・クラウド・SNS・ネットバンクなど、生活のあらゆる場面で関係しています。
代表的なデジタル遺品の例
カテゴリ |
内容例 |
デバイス系 |
スマホ、パソコン、タブレット、外付けHDD、USBメモリ |
金融・契約系 |
ネット銀行、証券口座、電子マネー、サブスク(月額課金) |
SNS・メール系 |
LINE、Facebook、Instagram、Gmail、X(旧Twitter) |
写真・データ系 |
クラウド(Google Drive、iCloud)、写真アプリ |
デジタル資産 |
仮想通貨、NFT、電子書籍、音楽データ |
これらは現代の「新しい遺品」です。
放置すると、重要情報が見つからない・料金が引き落とされ続ける・個人情報流出といったトラブルにつながります。
デジタル遺品を放置すると起きる3つのトラブル
① アカウント停止・解約ができない
パスワードがわからないと、家族は契約を解除できません。
サブスクやネット銀行など、本人以外が操作できないサービスが多いため、料金が引き落とされ続けるケースもあります。
② 大切な写真・思い出が失われる
スマホやクラウドのロック解除ができず、
家族写真や旅行の思い出が見られないままになることも。
③ 個人情報・資産の流出
ネットショップやメールに登録したクレジット情報が流出すると、
不正アクセスや金銭トラブルのリスクが発生します。
終活で整理しておくべき「デジタル遺品」5つのジャンル
デジタル遺品は膨大ですが、終活では以下の5ジャンルを整理すれば十分です。
① スマホ・パソコンのロック解除情報
最重要項目です。
・スマホの暗証番号
・PCのログインパスワード
・指紋認証・顔認証の代替方法
これらを紙にメモし、信頼できる家族に伝えるか金庫などに保管しておきましょう。
② SNS・メールアカウント情報
FacebookやInstagramなどは、亡くなった後もそのまま残ることが多いです。
サービスによっては「追悼アカウント」や「削除申請」が可能。
各SNSの設定画面で、「死後アカウント管理」設定を確認しておきましょう。
③ 金融・決済・サブスク関連
・ネット銀行や証券口座のログイン情報
・クレジットカード連携アプリ
・定期課金(Amazonプライム、Netflix、Spotifyなど)
これらは毎月自動で引き落とされるため、早期解約が必要です。
一覧表にして「利用サービス名・ID・解約方法」を残しておきましょう。
④ クラウド・写真・データ保管先
Google Drive、Dropbox、iCloudなどに写真や書類を保存している場合、
「どのサービスを使っているか」「どのメールアドレスで登録しているか」を家族に伝えておくことが大切です。
⑤ デジタル資産(仮想通貨・電子マネーなど)
ビットコインなどの仮想通貨やPayPay、楽天ポイントなども“相続対象”です。
取引所や残高情報、ログイン方法をリスト化しておくことで、家族が手続きしやすくなります。
デジタル遺品の整理方法ステップ
終活でのデジタル遺品整理は、次の5ステップで無理なく進められます。
ステップ① 持っている機器とサービスを洗い出す
スマホ、PC、クラウド、SNS、ネット銀行などをリスト化。
紙・Excel・メモアプリ、どの形式でもOKです。
ステップ② パスワードを整理する
「ID」「パスワード」「利用目的」「登録メールアドレス」を一覧にまとめましょう。
セキュリティのため、ノートやUSBに暗号化して保管するのが安全です。
ステップ③ 不要なアカウントを削除
昔使っていたSNSやショッピングサイトをこの機会に整理。
使わないアカウントは早めに削除することで、情報流出のリスクを減らせます。
ステップ④ 家族に伝える
「このノートにまとめてある」「封筒を金庫に入れてある」など、
存在と保管場所を信頼できる家族1〜2人に伝えておきましょう。
ステップ⑤ 年に1回見直す
スマホの機種変更やアプリの追加に合わせて、内容を更新。
誕生日や年末など「毎年の恒例行事」にすると続けやすいです。
デジタル遺品の管理に役立つツール・サービス
終活初心者でも使いやすい、代表的な3つの方法を紹介します。
① 紙の「デジタル資産ノート」
市販の終活ノートには「デジタル情報欄」が付いているタイプも。
手書きで管理でき、電源トラブルの心配もありません。
② パスワード管理アプリ
「1Password」や「LastPass」などは、複数のID・パスワードをまとめて管理可能。
マスターパスワード1つで全データにアクセスできます。
③ クラウド型終活サービス
最近では、「死後データ削除機能」付きの終活クラウドも登場しています。
信頼できるサービスを選び、家族と共有しておくと安心です。
家族に優しいデジタル遺品の残し方
終活で大切なのは、「どう整理するか」よりも「どう伝えるか」です。
- 家族が理解できる方法で残す(難しい専門用語は避ける)
- 暗証番号は“ヒント方式”で記録(完全な番号を書かない)
- データを減らすことも思いやり(古いデータは削除)
- 信頼できる人にだけ知らせる(情報漏えい防止)
「自分がいなくなっても家族が困らないように」
その気持ちこそが、デジタル遺品整理の出発点です。
デジタルも、思いやりの終活を
スマホやパソコンの中には、あなたの人生の一部が詰まっています。
写真、メッセージ、仕事の記録、家族との思い出。
それらをきちんと整理しておくことは、**家族への“最後の優しさ”**です。
デジタル遺品の整理は、難しい手続きではありません。
「今の自分の情報を、少しずつ書き留める」だけで十分。
今日から1つずつ、スマホやパソコンを見直してみてください。
八光殿では、八尾市・東大阪市・松原市・門真市・大東市・四條畷市の各会館で、お気軽に無料相談できる場を設けていますので是非ご利用ください。