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ご近所との繋がりを大切に。…栃木県のお葬式のしきたり
コラム2021.02.16
関東平野の北に位置し、自然豊かな山や観光地が魅力の栃木県。
この地では、古くから伝わる特有のお葬式の風習があるようです。
栃木県では、農村部を中心に「隣組」といわれる地域のつながりが
今も残っていることが多く、隣組がお葬式を取り仕切り、
親族と一緒に数珠を手に念仏をとなえる「百万遍」が行われるようです。
また、故人の衣服を家の裏に北向きに干して、常に水で湿らせておく「七日ざらし」や、
火葬場で故人が炉に入るときに遺族がコップの水を炉の前に捧げる「水まわし」、
納骨を済ませたら初七日まで毎朝、墓参りを行う「墓おこし」など、
珍しい風習がたくさん残っているようです。
栃木県のお葬式は、一部の地域で前火葬が行われていたり、
四十九日の法要を待たず、お葬式の直後に納骨を済ませることもあります。
こうした風習は、東北地方の一部の地域で行われていることもあり、
東北と関東のお葬式の文化が入り混じっている傾向が見られます。
さらに栃木県では、地域のつながりが色濃く残っており、
通夜やお葬式の会場に多くの方が出入りします。
こうした背景には、ご近所を含め、より多くの方が故人を送り出そうとする想いが
込められているそうで、人との繋がりを大切にしようとする、
とても感慨深く、心に染み入る風習ですね。